埼玉県さいたま市大宮区の弁護士事務所
池上雅弘法律事務所
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借金の整理入門(総論)
1 はじめに
(1) クレジットカードの利用
現代社会では、物、サービスの購入にクレジットカードを使うことが当たり前のようになっています。ところで、クレジットカードの利用は、クレジットカード会社からの借入です。将来自分が得ることのできるであろう収入を先に使っているのです。クレジットの利用を適正に管理できなければ、いずれクレジットカード会社への支払が出来なくなる日が来ます。
(2) 専門家への相談時期
ところで、不幸にも、Ⅰ借金の返済が出来なくなった方、Ⅱ返済しているけれども借金が減れない方は、出来るだけ早く専門家に相談し、借金の整理を考えた方がいいです。
(3) 相談が早い方がいい理由
第1に、精神的な安定を図ることができます。
債権者は、貸したお金の返済を求めます。返済が出来なければ、最初は書面や携帯電話へに督促の連絡が来ます。借金の返済で困っている方は、毎日のように来る電話で精神的に追い詰められます。弁護士が借金の整理のご依頼を受け、債権者に受任通知を出しますと、債権者からの請求・督促が止まります。これによって、借金で困っている方は精神的な安定を取り戻すことができるのです。精神的な安定を取り戻すことによって、将来を冷静にみることができるようになるのです。
第2に、解決方法の選択可能性です。
借金には、必ず、利息、手数料、遅延損害金等が付きます。この利息、手数料、遅延損害金は、時間がたてばたつほど、増えていきます。借金が少ない段階であれば、借金の整理の方法を選べる可能性があります。しかし、ご自身の収入、資産で返済できないところまで、借金が増えてしまえば、法的整理という方法しかなくなってしまいます。
このように、専門家への相談時期が早ければ解決方法を選ぶことも可能なのです。
2 借金の整理をするにあたって
(1) 支出金額の確認
クレジットカード決済をする方、持ち合わせの現金がない場合にキャッシングをしてしまう方は、生活費にいくら必要か分からなくなっている方が多いです。そこで、家計全体の状況を作成し、1か月生活するのに、いくら必要かを明らかにします。
(2) 支出の見直し
家計全体の状況を作成しましたら、支出の見直しを検討します。支出の見直しといっても、我慢した生活を送るということではありません。無駄な支出をなくすということです。
3 見直し後の収支と借金の整理
収支を見直した結果、大きく、①収入以上の支出がある方、②収入が支出より多い方
に分かれると思います。
(1) 収入以上の支出のある方(例:月額25万円の手取り収入、27万円の支出)
借金が減ることはありませんので、何らかの対策が必要です。借金の整理の方にについては後で説明します。
(2) 支出以上の収入がある方(例:月額30万円の手取り収入、28万円の支出)
返済が月額2万円以下であれば借金は減っていきます。借金の整理が必要ないように思えます。しかし、そうすると、予定していない支出があった場合に対応できません。そういう時は、カード決済すればいいや、キャッシングすればいいやということになれば、結局借金が増えることになり、今までの努力が無駄になってしまいます。従って、支出を超える収入を得ていても借金を整理した方がいいことも有るのです。
4 負債額と利息、毎月の返済額と完済時期の関係
300万円、200万円、100万円を年利15%で借りた場合の毎月の返済額と完済時期をまとめたものが下の表です。なお、元金が減りますと支払うべき利息も減っていきますので、次の利息は最初の利息です。
300万円を年利15%で借りますと、1か月3万7500円の利息がかかります。
200万円を年利15%で借りますと、1か月2万5千円の利息がかかります。
100万円を年利15%で借りますと、1ヶ月12,500円の利息がかかります。
下の表のように、借金が減らすためには、利息金額を超える金額を支払わなければなりません。利息を超える支払いが出来ない方は、完済が出来ません。また、完済ができるとしても、下の表のように、結構な時間がかかるのです。
5万円を返済 | 4万円返済 | 3万円を返済 | 2万円を返済 | |
300万円 | 9年6ヵ月 | 19年7か月 | 完済不能 | 完済不能 |
200万円 | 4年8か月 | 6年7か月 | 12年1か月 | 完済不能 |
100万円 | 2年 | 2年7か月 | 3年8か月 | 6年7か月 |